日本心理臨床学会第35回秋季大会 学会総合検討委員会 自殺対策専門部会企画シンポジウム 記録データ

日本心理臨床学会第35回秋季大会 学会総合検討委員会 自殺対策専門部会企画シンポジウム 記録データ

2016年9月7日に行われました第35回秋季大会「自殺対策専門部会企画シンポジウム」の記録データを掲載しております。
※「概要・出演者等」、「内容」は、プログラム/論文集に掲載したものです。内容、出演者等、変更になっている場合もあります。

記録データ
概要・出演者等

学会総合検討委員会 自殺対策専門部会企画シンポジウム

『「自殺の語り方」を考える』
9月7日(水)10:00~12:00 503会議室

シンポジスト:野村 直樹(名古屋市立大学人間文化研究科名誉教授)
内野 悌司(広島大学)
司会者:勝又 陽太郎(新潟県立大学/学会総合検討委員会自殺対策専門部会)
高野 久美子(創価大学/同上)

内容

本学会自殺対策専門部会では、これまで若年者の自殺対策について3年連続でシンポジウムを開催してきた。2016年度は自殺対策基本法成立から10年の節目の年であり、これまで相談において常識とされてきたことを今一度見直すことをとおして、新しい自殺予防対策のかたちを模索してみたいと考えている。
具体的には、今年度のテーマを「自殺の語り方を考える」として、援助者と当事者の間で語られる自殺に関する言葉や語りのあり方を、様々な視点からとらえ直し、臨床現場での応用について検討できないかと考えている。
たとえば、クライエントが「自殺したい」や「死にたい」と直接的に表現することは日常の臨床でよくあることであり、多くのセラピストも直接的な自殺念慮の表出に対する対応経験を積んでいることと思われる。一方で、「消えてしまいたい」、「自分なんていない方がいい」、「これまでありがとうございました」など、クライエントが婉曲的に自殺をほのめかす場合や、言葉で表現されないまでも、どことなくいつもとは様子が異なると感じられる場合に、どのように介入したらよいのかは迷う場合も多いと思われる。
これまで自殺予防のテキストにおいては、こうした状況においてクライエントの自殺念慮をきちんと話題にすることが重要であるとされてきた。しかし、そもそも私たちの文化において自殺念慮を口にすることがどのような意味を持つのかについては、これまで十分に検討がなされてこなかった。そこで、本年度のシンポジウムでは、ナラティブやコミュニケーション研究をご専門とされている野村直樹先生と学生相談の現場で自殺問題に長年取り組んでこられた内野悌司先生のお二人にそれぞれ話題提供をいただいたうえで、日本語のもつ「死にたい気持ち」の独特の表現の仕方や、それの扱い方について丁寧に検討を行ってみたい。

なお、本シンポジウムは、自殺予防週間9月10日~16日における本学会の協賛企画とする予定である。


※プログラム/論文集に掲載したものです。内容、出演者等、変更になっている場合もあります。

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