学会賞受賞者講演

二律背反の〈あわい〉を生き抜く
-悲嘆臨床の新たな地平-

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動画の長さ : 01:09:01

 

講 演 者: 山本 力(岡山大学名誉教授/就実大学名誉教授)
司 会 者: 伊藤 良子(京都大学名誉教授)
資   料: なし

 

約50 年間、細く長く取り組み続けてきた私の研究テーマは「喪失の悲痛と絶望の淵に落ちて、それでも人生をどう生き抜いていくのか」という問題意識でした。臨床経験を事例的に省察し、40 歳代半ばに博士論文として一つの結実をみました。その後、キャンサーサバイバーになったことで、私の喪失・悲嘆論に魂が入りました。本講演では、「私らしい悲嘆臨床のアイディアとは何であったのか」、「それらはどのように発想されてきたのか」という問いを手がかりに、現在の視座から私自身の悲嘆研究の踏み跡を省察しようと思います。

  1. 喪失様態モデルにおける「内的喪失というレンズ」の意義
  2. 喪の過程では、grief work だけでなく”reality work”が不可欠であること
  3. 喪失の傷つきは生涯消え去ることなく、〈あわい〉という境界領域を生きること
  4. 「…にもかかわらず」、断裂したアイデンティテイを繋ぎ直していく営み

以上の構成でお話しする予定ですので、大会参加者の皆さまと、これらの経験と思索を分かち合えることを心より楽しみにしています。

略歴

1950 年 兵庫県姫路市に生まれる
1969 年~1981 年 広島大学教育学部及び同大学院教育学研究科博士課程並びに助手
1981 年~1999 年 岡山県立短期大学及び岡山県立大学保健福祉学部助教授
1999 年 岡山大学大学院教育学研究科教授に着任(2015 年 定年退職)
2015 年 就実大学大学院教育学研究科教授に着任(2022 年 満期退職)
2022 年~現在 岡山大学名誉教授、就実大学名誉教授

学会等の活動

日本心理臨床学会 理事(通算6 期)
学会誌編集員会委員(通算7 期)・編集副委員長(2 期)
岡山県臨床心理士会 会長(通算3 期)

主な著書(発行の逆年代順)

(単著)『悲しみといのちの時熟―続・喪失と悲嘆の心理臨床学』誠信書房 2025
(監訳)ウォーデン著『悲嘆カウンセリング・改訂版』誠信書房 2022
(単著)『事例研究の考え方と戦略―心理臨床実践の省察的アプローチ』創元社2018
(単著)『喪失と悲嘆の心理臨床学―喪失モデルとモーニングワーク』誠信書房2014
(編著)『心理臨床家のための「事例研究」の進め方』北大路書房 2001