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特設ホームページ(時期と段階におけるこころのケア)

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教師・心理職等(対人援助職)のみなさんへ

−時期と段階に応じた心のケア(災害後に必要な体験の段階モデル)−

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この災害は、重大被災地では、ライフラインの回復にかなり時間がかかりそうで、災害後◇週間に△△といった数字を記載するのは適切ではないと考えました。

また、従来、「茫然自失期」、「ハネムーン期」、「幻滅期」といったステージで心理的変化が記載されていますが(「心的トラウマの理解とケア」じほう2006)、むしろ、どのような体験が必要かという観点からのモデルが必要だと考えるに至りました。そして、その体験ステージは、 被害程度によって異なるので、期間を明示しないことにしました。被災地にいる方は、いまその地域が、回復に必要な体験の段階ではどの段階にあるかを考えてみてください。また、同じ被災地域でも、それぞれの人で、段階は異なります。

つらい体験(トラウマ)を乗り越える

◆段階1:安全安心体験(災害直後から)

この体験は、ずっと必要な体験で、この体験の回復が全ての前提です。
1.自らの生命保持のための生理的・物理的要因による安全の確保
食・睡眠が保障される。寒暖による生理的安全が保障される。炊き出しによる温かな食事、自衛隊が設営したお風呂はともかくホッとした体験でした。足湯隊も体ばかりか心をほっとさせました。また、トイレが大変です。仮設トイレの設置は、プライバシーの保護に役立ちました。
2.つながりの安心
安否情報を得ることは、断たれたつながりを回復する第一歩です。だれかが寄り添って、安否を確かめることは、断たれたつながりから、新たな人と人のつながりの始まりです。この世の中で、誰ともつながりがないということほど生きる力を奪ってしまうものはありません。避難所や避難地で、つながり・絆を構築することが重要です。
3.過酷な環境へのストレスマネジメント
過酷な環境は快適な環境にすることが一番の解決法です。しかし、過酷な環境を余儀なくされます。新潟中越地震では、余震が強くて、多くの人が車中で過ごし、その結果、エコノミークラス症候群で命を落としました。同じ姿勢を長時間とった結果です。ですから、体を動かすことが、命を守るためにとても重要だとわかり、中越沖地震では、健康体操が推奨されました。また、プライバシーがない狭い空間での生活を強いられます。そして過酷な環境を生き抜くには、「思いやり・絆・希望」が大切です。体をほぐして、希望を待とう。お互い励まし合おう。必ず生命維持に必要な物資が届きライフラインは復旧するという信念を持つことです。

◆段階2:心身コントロール体験(安全安心体験が少しできてから)

1.体の反応
過酷な環境が少し緩和しても、“眠れない”ということが起きるかもしれません。それは、過覚醒のためです。全力をあげて立ち向 かってきたので、心拍を速め、闘争モードにスイッチを入れてしまったのです。ある程度過酷な環境が緩和しても、そのスイッチが入ったままになってしまうのです。一方、希望を失い、体に力が湧いてこない、体がしんどくて起き上がれないといったこともあります。そんなときは、マッサージや体のもみほぐしやリ ラックス動作法が有効です。肩をたたいてもらい、肩に手を置いてもらう、疲れている体の部位に手をおいてもらう、それだけで体が楽になります。マッサージ は「してもらう体験」ですが、リラックス動作法は、「してもらう」から「自分で弛める、自分で動かす」体験です。避難所で、子どもが高齢者の肩に手を置いてあげるワークをするだけでも、雰囲気が変わるかもしれません。呼吸法や漸進性弛緩法もいいでしょう。リラックス法を身につけておくと、寝付けないときの助けになります。避難所ではリラックス隊のボランティアを提供しましょう。
2.心の反応
体が楽になると、トラウマ記憶が活性化してきます。記憶の蓋が開き始めます。開けたくないのに開いてしまうのです。それがフラッシュバックです。悪夢は夢の中でのフラッシュバックです。また、子どもは、津波ごっこをはじめるでしょう。これは、子どものフラッシュバックです。子どもは言葉で再演するのが難しいので、遊びで再演するのです。それらを再体験・侵入といいます。コントロール感のない記憶の再現です。これは、五感をともなう苦しい体験です。すべての今の活動がストップしてしまいます。過去に連れ戻されてしまい、今を失うのです。
この再体験反応への対処を誤ると、トラウマ反応は長期化します。津波ごっこや地震ごっこを見て、大人が<そんな不謹慎なことはやめなさい>と叱ると、子どもは心を閉ざしていきます。ですから、遊びを見守ってください。見守っていると、その遊びが繰り返し繰り返し行われることに気づくでしょう。その遊びにコントロール感が出てくるためには、一緒に遊びの中に入っていき、子どもの感情に共感することが必要です。また、前述の落ち着くリラックス体験が有効です。ただし、阪神淡路大震災のとき、危険な地震遊びもありました。机を何段も積んで一気に壊すのです。そんな遊びを見たときは、落ち着いて止めて、どんな気持ちかを尋ねましょう。そして、気持ちを認めてあげてください。そして、危ない行動は止めなければなりません。
ですので、避難所では“子ども遊び隊”のボランティアを提供しましょう。ともかく、子どもが、楽しく、すっきりするように、徹底してつき合うのです。ただし、子どもは表面的には元気そうにみえても、怒りや悲しみが心の中にいっぱいになっています。それで、慣れてくると、ボラン ティアのお兄さんお姉さんにパンチやキックをしにくるでしょう。パンチやキックを浴び続けるのではなく、それをスポーツに変えていく工夫が必要です。子ども遊び隊の活動が終われば、夜ミーティングを必ずします。心理臨床専門家の助言をもらいましょう。
幼い子どもは、信頼できる人にべったりとくっつき離れられなくなったり、今まで一人でできていたことができなくなったりします。退行と呼ばれています。ショックのあとの甘えや退行は、回復の第一歩と考えてください。<いいよ、ついていってあげるよ、いっしょにいてあげるよ>と声をかけてあげてください。安心感が戻ってくると、子どもの方から離れていきます。または、ちょっと背中を押してあげてもいいでしょう。少しでもできたら、たっぷり褒めてあげてください。
フラッシュバックは、コントロールできるようになることが大切です。仕事中、勉強中、“あの時のことが蘇って、ドキドキして…”それで、仕事も勉強もストップしてしまいます。フラッシュバックが来たら、“背筋を立てて、しゃきっと”する動作をして、“今は仕事に集中”と切り替える力をつける(フラッシュバックのコントロール)ことは大切です。一方で、つらい記憶に向き合うことも大切です。フラッシュバックしたとき、湧き上がる感情に身を任せて待つのです(つらい記憶に向き合う)。そうすると、少しずつフラッシュバックの頻度と強度が少なく小さくなります。
このときに、“考えないようにしよう”とするのは、かえって、反応を持続させてしまいます。それを回避といいます。トラウマ記憶は封印したい。忘れたい。しかし、忘れることができない記憶なのです。

◆段階3:心理教育体験(安全安心体験ができてから・心身コントロールとともに)

1.回避へのチャレンジ
学校が再開されることは、子どもたちの心の健康の回復にとって大きな力になります。学校は子どもたちが楽しめる活動や、ちょっと頑張りが必要な勉強を提案します。友だちと学校で出会うこと、日常のカリキュラムが戻ることは本当に大きな力になります。教師の皆さんにとっては、子どもの笑顔が一番です。
しかし、学校の教科書に、少しでも、地震・津波・災害といったことを連想させる教材があれば、教師もその教材をスルーしたくなります。しかし、避けること (回避)は直後にはよい対処でも、長期にわたると、生活を狭めてしまいます。テレビを見ることができない。少しの雨でも外出できない。海の方向に行くことができない。夏のプール水泳ができない。そういった回避行動には、チャレンジする方がいいのです。しかし、これは、徐々に行う必要があります。
なぜ回避行動にチャレンジした方がいいのでしょうか。それは、強い回避行動が、ストレス障害を維持する一つの要因だからです。 どんな衝撃を体験しても、人は回復する力を持っています。アメリカのデータ(Kesslerら,1995)では、災害に遭遇しても4~5%しか、 PTSD(外傷後ストレス障害)にならないと言われています。もちろん、災害被災者の90%がアジアに集中していることを考えれば、その値は再考されるべきかもしれません。ともかく、自己回復する人とストレス障害化してしまう人がいるのです。ストレス障害になる一つの要因が「強い回避」と言われています。
それは、パブロフの古典的条件づけと、スキナーのオペラント条件づけの2つで説明されています。本来は安全な刺激であるブザーが鳴って、電気ショックが与えられると、ブザーが鳴っただけで、恐怖反応が引き起こります。でも、ブザーが鳴っても、電気ショックが与えられない、ということを繰り返していけば、恐怖反応は消えていきます。消去です。その過程を“慣れ(馴化)”と呼んでいます。では、なぜ、恐怖反応が持続してPTSDなどのストレス障害になってしまうことがあるのでしょうか。
それは、本来は安全な刺激であるブザーを積極的に避けるオペラント行動をしているからだと考えるのです。トラウマ反応とは、安全な刺激と危険な刺激を、識別できなくなっている状態といってもいいでしょう。ですから、その仕組みを頭で理解し、回避行動にチャレンジし、本来は安全な刺激に身を置く(expose)ことで、恐怖反応が生じても、何も危険なことはないのだと、それを繰り返していくと、恐怖反応は消失していくと考えるのです。ですから、なにより重要なことは、チャレンジしたときに、“安全”が保障されていなければならないということです。もし、つらいことを語りや絵で表現したとき、その表現を軽く扱ったり、批判されることがあれば、再び“電気ショック”を浴びることになってしまうのです。だから、トラウマ体験の表現や避けていることにチャレンジするには、安全・安心・信頼がたっぷりと体験できる環境でなければならないのです。回避へのチャレンジには、トラウマ記憶に向き合うチャレンジ(トラウマ体験の表現)と、現実生活で避けていることへのチャレンジの二つがあります。このように、トラウマをどうすれば乗り越えることができるかという科学的知識を学ぶことが大切なんです。それを心理教育と呼んでいます。
2.アンケートの実施
この心理教育体験をすすめるために、「心とからだのストレスアンケート」(PTSRED-TRAUMA25)の活用が重要です。自分にはどんな心と体の反応が起こっているのだろうか。自分で知って、有効な対処法があることを学ぶのです。しかし、トラウマ反応が記載された項目を 目にするだけでも、フラッシュバックを誘発することがあります。気分が悪くなるのです。トラウマのアンケートをすることは、心の傷に触れることになります。だから、安全・安心・信頼の空間で行わなければなりません。ト ラウマのスクリーニングテストとしては、IES-R(Weiss & Marmar,1997)が代表的です。しかし、これは“あの地震・津波に関して”、と衝撃的出来事を想起してアンケートに回答する方式になっています。 アンケートの項目に、“地震”“津波”という言葉が入っていると、災害から月日が経過するにつれ、学校の教職員、会社の経営者は、嫌がるようになります。 また、IES-Rの「寝つきが悪い」「いらいらして怒りっぽくなっている」など、実際寝つきは悪くても、地震の影響で寝つきが悪くなっていると自覚してい ない場合は、「全くなし」にチェックしてしまうかもしれません。
PTSRED-TRAUMA25は、「ショックなこと・つらいこと」という表記にしていますので、地震や津波以外のひどいいじめや、親からの暴力を思い浮かべて子どもは回答するかもしれません。地震や津波で苦しんでいる子だけに心のケアが必要なのではありません。もし、反応が強くあらわれていたら、教師やカウンセラーが個別にその子どもさんの話しを聴いてあげてください。
一次スクリーニングでハイリスクの子どもさんには、カウンセラーがより正確なアセスメントツールを用いるようにします。中学生以上であれば、IES-Rは使えるかもしれません。小学生には、UCLA-PTSDindexがあります。個別のカウンセリングで、カウンセラーとの信頼関係を築いて実施するとよいでしょう。ストレス反応とその対処を学び、トラウマ反応とその対処を学んでいくことが回復につながります。
トラウマは見えにくいため、“心の声を聴く方法”として、アンケートは大変重要なツールなのです。“悪夢をみている”“自分を 責めている”というのは、他者からなかなか見えにくいからです。しかも、昼間の楽しい活動はある程度できるから、余計に見えにくいのです。2008年8 月、インドネシア・アチェでトラウマシンポジウムが開かれました。あるNGOの団体の人が、「私は100人の子どもたちをみてきました。でもだれも、苦しんでいる子どもはいませんでした。」と発言しました。でも、フロアに同席している教師たちは、首を横にふっているのです。NGOは楽しい体験ばかりを提供していたのですが、学校ではちょっと頑張りが必要になる勉強があります。子どもたちは、津波から3年半経っているのですが、落ち着かないのです。「勉強に 集中できるのはせいぜい30分です」と教師たちは言ってました。私たちとEducation Internationalが共同で、災害から3年半後、インドネシア・アチェで中高生約300人に行った心理教育のためのトラウマアンケート (PTSR-ED-LOSS)の結果では、「その時のことを思いだすとドキドキしたり苦しくなったりする」「なにかしようとしても集中できない」「ちょっとした音にもびくっとする」に約80%が「はい」と回答していました。「自分のせいで悪いことが起こったと思う」「眠れなかったり途中で目がさめる」には、約70%の人が「はい」と回答していたのです。ですから、アンケートにより周りの人もトラウマが見えやすくなるのです。
アンケートは、集団の全体的な心身の反応がわかりますし、個別相談やカウンセリングが必要な子どももわかりやすくなります。ですから、トラウマのアンケートを実施することは大変重要です。そこで、私たちは、一次スクリーニングとして、心理教育のためのトラウマアンケートを作成しました。チェックした子どもが自ら、自分の反応に気づき、対処の方法をしっかり学ぶのです。前後に、リラックス体験を提案します。背伸びや肩のリラックス 法や漸進性弛緩法がいいでしょう。アンケートが終わった後は、絆のワークもいいかもしれません。安全・安心・心身反応へのコントロールに対する少しの自信 と、心理教育をしっかりいれて、アンケートを実施してほしいのです。
繰り返しになりますが、トラウマのアンケートだけを実施するようなことはやめてください。必ず、心理教育・ストレスマネジメント体験・個別相談体制を用意して実施してください。
また、継続して子どもを見守る体制が必要です。その体制がとれない個人・団体は、心のケア活動を行ってはいけないのです。四川大地震のとき、海外からきた心理のボランティアが子どもに絵を描かせて、その絵を持ち帰ろうとしたということがあったそうです。中国の心理学の研究者は、「それはやめてください」と止めたそうです。国際的なルールを構築する必要があります。被災地はそのようなボランティアのためにあるのではありません。

◆段階4:生活体験の表現(安全安心・心身コントロールができてから)

1.リラクセーション体験
学校では、体をいっぱい動かしたり、楽しいゲームをとりいれるとともに、リラクセーション体験を提案しましょう。ストレスマネ ジメントで心身のコントロール体験を培います。ストレスマネジメント、リラクセーションといっても専門的な方法だと尻込みすることはありません。まずは、背伸びでいいのです。背伸びも、いきなり両腕を高く伸ばすのは、疲れ切っているときは、やりたくありません。それで、両手を組んで、前に伸ばすのです。そして、左右に動かし、それから、背伸びをします。そして、背中を伸ばしたり、足を伸ばしたりします。肩をあげてストンと力をぬいてもいいでしょう。もちろん、呼吸法も役立ちます。でも、呼吸法は、やっているのかどうかがわかりにくいです。また、不安や緊張が強ければ、いきなりの呼吸法は、内面に向かいすぎて、不快な気持を引き起こす事があります。2007年9月のインドネシア・アチェの小学校では、子どもたちははしゃいではしゃいで、呼吸法のメッセージは入りませんでした。それで、高橋哲さんは、アクティブ・リラクセーションをその場で思いつき、子どもたちに提案しました。いろいろ工夫して、子どもたちが安心体験・リラックス体験を培い、活動の後は、落ち着いた雰囲気を作り、語りや表現を求めましょう。
2.生活体験の表現
語ること・表現することをたくさんしましょう。テーマは、あの津波がやってきたときのことではありません。避難所で頑張ってきたこと、毎日の生活で工夫してきたこと、友だちとの楽しいひととき、すなわち生活体験を表現できる機会をもつことです。そして、お互いをねぎらい、安心して「語れる」空間を保障してあげなければなりません。
安心できると、トラウマ体験を表現しはじめます。これは、さらに、しっかりと受けとめてあげなければなりません。人には、それぞれのペースがあります。打撃も異なります。温かな空間で、自分のさまざまな気持を話しても決して批判されない、そういった空間を作ることが重要です。

◆段階5:トラウマ体験の表現(安全安心・心身のコントロール・心理教育・生活体験表現ができてから)

書きたくない子どもは書かなくていいです。ほかのテーマでもいいのです。3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年・・、学校に おいては、メモリアルを大切にして、その機会に、トラウマ体験に向き合うことを進めるといいでしょう。そして、トラウマ体験の表現は、防災教育の語り部へとつながっていきます。こわかったこと悲しかったこと、あの地震・津波体験に向き合うときと、楽しんだり勉強がんばったり今の日常をしっかり送るときを切りわけて前に進んで行きましょう。地震や津波の体験に向き合うことは、苦しくつらい作業です。しかし、つらかったことに、向き合う方が、ストレス反応やトラウマ反応を軽減させることがわかっているのです。

◆段階6:避けていることへのチャレンジ (安全安心・心身のコントロール・心理教育・生活体験表現・トラウマ体験表現が少しできてから)

学校行事や教科書の教材で、避けたくなることがあれば、この回避へのチャレンジがなぜ必要なのかを思いだして、子どもたちに、そのことをわかりやすい言葉で伝えながら、教職員が一体となって、トラウマに立ち向かってほしいのです。
トラウマ反応が重い場合は、個別のカウンセリングにつなげてください。個別のカウンセリングの最後のプログラムが現実場面を回避している行動へのチャレンジです。避けていることがあれば、リストアップして、少しずつチャレンジしていきます。大事なことは、苦痛度が50~60ぐらいのものからチャレンジすること。長時間暴露療法(Prolonged Exposure Therapy)では、「少なくとも20分そこに身を置き、すぐに撤退しない。そして、呼吸法といった対処も含めて何もしない」というのが基本のようです。しかし、動作法による適切緊張感や踏みしめなどのコーピングの活用を自発的にする人が多いようです。これまで述べてきた6段階の回復に必要な体験は、 トラウマ反応が重ければ、カウンセラーとマンツーマンで行うことになります。
防災教育の授業や、教科書にある地震や津波や水に関係するような教材を避けるのではなく、きちんと取り組むことが重要ですが、向き合う時期は、かなり日数を要するかもしれません。東北地方の沿岸部の住民は、津波の知識もあり、津波のために10mの防波堤を建設したり、あらゆる努力をしてきたわけです。ところが、今回の津波は、地震学者の予想をはるかに越えてしまったのです。地震学者や防災教育の専門家は、今、無力感を抱いているかもしれません。しかし、人は自然の脅威にどう立ち向かえばいいのか、この教訓をどう次世代に生かしていくのか、ここはみんなで踏ん張って考えて、笑顔いっぱいの日本をみんなで創っていこうではありませんか。
もうひとつ、「喪失体験の対応」が、この大災害では重要になります。いずれ、掲載します。
災害後必要体験ステージモデル(Stage Model of Necessary Experience for Survivor after the Disaster)

作成:冨永良喜
作成:2011年3月21日
最終更新:2011年3月22日

 

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