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日本心理臨床学会理事長 鶴 光代
日本心理臨床学会は、昨年、創立25周年を迎え、今、新しい節目の年がスタートしたところです。本学会は、心理臨床科学研究の進歩に携わる者及びその学徒からなる研究団体です。現在、会員数は1万9千人を超えて、心理学系の研究団体としては日本最大の会員を擁する学会となっています。 会員は、社会のいろいろな領域で幅広く活躍しており、心理臨床科学の研究をそれぞれの持ち場で展開し社会に貢献すべく多くの研究を進めています。 例えば、大学や研究センターの教育・研究職者としては心理臨床の理論的・方法的研究を、病院や保健所における臨床心理士や心理職者としては心理療法や心理査定の実践的研究を積極的に行っています。 児童相談所や福祉施設における児童心理司や心理相談員としては、子育て支援や障害児者支援、高齢者支援に関わる研究を、家庭裁判所の調査官や警察・少年センターの心理相談員としては、裁判事件の背後にある人間関係と環境についての研究や犯罪被害者支援の研究に取り組んでいます。 学校や幼稚園のスクールカウンセラー・保育カウンセラーとしては、不登校・いじめに関わる研究や発達障害児への発達援助の研究を、大学の学生相談カウンセラーとしては学生期の心理的特性や成長支援に関わる研究を精力的に進めています。 企業や職場におけるカウンセラーとしては働く人の心理的健康や産業カウンセリングの研究を、民間の心理相談機関の臨床心理士や心理相談者としては、人の多様な心理的問題への援助法に関わる研究を開発的に行っています。 このように、本会は、心理臨床科学の進歩に持てるエネルギーを充分に注ぐと共に、研究活動の諸成果を広く発信し社会の発展に貢献していくことを使命としています。 現在、心理臨床活動は、社会から多数の様々な要請を受け期待もされています。本学会はこうした状況に応える責任があり、それを果たすためには、研究者・専門家としての研鑽と社会的認知の確立が必要といえます。 本会の会員には、将来、心理臨床の専門家になることを目指して勉学に励んでいる大学院生も多くいます。こうした若い人はもちろんですが、研究者・心理臨床家は一生涯、研修を積んでいく身にあるといわれています。学術研究の機会と共に実のある研修の機会を会としてもさらに盛んにしてゆきたいものです。 社会的認知の確立は、本会が社会にどれほど貢献できているかによりますが、現在、心理学の世界で話題になっている、「臨床心理士及び医療心理師法案」による臨床心理職の国家資格化を実現に導くことも、本会会員が社会に認知される上で重要な課題といえます。 現在、会員の多くは、「臨床心理士」の資格を始め心理諸資格を身につけ、研究者・専門家として活躍していますが、国家資格というさらに責任を問われる専門職資格に身を置くことによって、社会への貢献の質をさらに高めることができると考えられます。 社会の人々、心理臨床に関心を持つ人々に、日本心理臨床学会の活動に関心を持っていただき、ご理解いただきながら、会員の皆様と本学会のさらなる発展に努力してゆきたいと思います。ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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